粉瘤を取ってほしいと受診される方は多いですが、炎症を起こしている状態の場合がしばしばあります。
当院では基本的に当日でも手術を受け付けますが、炎症を伴っている粉瘤に関しては抗生剤を内服していただいて炎症が収まった時点で摘出する方針となります。
粉瘤は表皮が袋状になって内部に角質が溜まっているものです。症状は全くなく「しこり」を触れるのみですが、細菌感染を起こしやすく、感染が起こると局所の赤みと痛みを生じます。
背中などにある粉瘤ですと感染を起こして初めて気づく場合も多いようです。
なぜ炎症を起こしていると手術できないかというと、炎症によって周囲の組織が固く脆くなって袋状の表皮をうまく取り出せないのです。炎症がなければ皮1枚の状態で摘出できるのに、炎症がある状態では、グズグズになってしまっていて表皮の一部を取り残してしまいそれが再発の原因になったりします。
例外的に炎症が限定的で臀部や鼠径部など皮膚に余裕があり傷跡が目立たないような場所であれば、取り残しを回避するために広めに切除する場合もありますが、あまりお勧めしません。
ところで細菌感染を起こした粉瘤は抗生剤の処方をして炎症を改善する方針となるのですが、抗生剤が効かず炎症が進行してしまうこともしばしばあります。
炎症が進行すると膿が溜まった状態になってしまいます。そうなった場合には皮膚を切開して排膿することもあります。また自然に穴が開いて膿が出て潰れてしまうこともあります。
膿がすべて出てしまえば炎症は自然に収まってゆきます。しかし内部の袋状の表皮は残るので、しばらくすると角質が溜まってきてしこりを生じます。さらにそれを放置すると何かの機会に細菌感染が起こって炎症を繰り返すことになります。
何回も炎症を繰り返した粉瘤は袋の周囲に固い繊維質の組織ができてしまい、摘出が面倒になります。
そのような状態になる前に受診されることをお勧めします。
粉瘤について
- 2025.04.04
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