「左肩に30cmくらいの脂肪腫があるのですが、治療可能でしょうか?」という電話での問い合わせがあり、受付対応で可能と返答しました。
遠方の方で受診当日の除去希望され、予約をとられました。
30cmというのは誇張ではなく、人の頭くらいの大きさの巨大な脂肪腫です。
お子さんが小さくて入院手術ができず、近くの形成外科では外来手術は無理と断られたそうです。ネットで当院を見つけ、藁をもすがる思いで問い合わせしたそうです。
たしかにこの大きさでは全身麻酔での手術を勧められるのはもっともです。
ただ、このままでは日常生活にも不自由です。部位的に局所麻酔でも摘出は可能と判断しました。
約1時間ほどで摘出できました。
これほどの大きさのものを取り出したので、皮下に大きなスペースが出来てしまい血液が溜まるとトラブルになりますので、血抜きの管(ドレーン)を付けた状態で帰宅してもらい、翌日ドレーンを抜去しました。
取り出した巨大な脂肪腫です。
鶏肉みたいに見えますが、大きさも丁度鶏1羽くらいでした。
脂肪腫は背中などであれば付近に大事な血管や神経がありませんので、相当な大きさであっても外来手術で摘出可能です。
しかし頸部などにあるものは入院のうえ全身麻酔で手術したほうが、安全といえます。
P.S.この患者さんの経過は順調でしたが、大きな脂肪腫は摘出に労力を要します。今月は2週間に3件の脂肪腫摘出を行いました。あまりにたくさんいらっしゃるとキツイです。