「ほくろ」や「できもの」などはある程度待機して治療が可能ですが、「やけど」は急性期の外傷ですから、即時の対処が必要です。
もちろん、当院の診療時間内であれば適切な対応が可能ですが、夜間帯に起きることが多いと思いますので、そのようなときの対処方法を説明して参ります。
やけどについて
やけどの対処は、まずはよく冷やすことです。これは一般にもよく知られていることです。
氷水くらいの冷たさが必要です。
熱によってダメージを受けた組織を急速に冷却することで、それ以上の炎症を抑えることが目的です。
医療機関に受診するまで氷水を入れたビニール袋を当てつづけることが必要です。
たまに油とかアロエを塗る人がいますが、その後の治療に良い影響はありませんので、やめていただきたいです。
やけどはその程度によってI度からIII度までの3段階に分類されます。
I度は皮膚が赤くなって痛むだけで、跡を残さず治ります。
II度は水疱ができる、よくあるやけどで治療が適切ならきれいに治ります。しかし治療が適切でないと跡を残すことになります。また同じII度であっても深い場合があって、その場合は跡が残ってしまうことがあります。
III度は熱で皮膚が完全に死んでしまっている状態です。水疱はできず、また傷みもないので時に重症と感じずに受診が遅れることがあります。III度熱傷は皮膚の移植が必要です。
やけどで大切なことは程度(深さ)とともに範囲(面積)です。範囲が広いだけで重症になります。
お子さんが熱湯でやけどしたりお年寄りが熱い風呂でやけどしたりする場合に広範囲の熱傷となることがありますので、そういう場合は速やかに救急車を呼んでください。
当院のやけど治療(皮膚再生・移植)
当院で行うやけどの治療は、まず創部の炎症を抑えることと感染の予防を行います。
そして速やかな皮膚の再生を促す治療に移ります。
普通、II度熱傷であれば、2週間以内に皮膚が再生しますが、3週間以上皮膚が再生しない場合は皮膚の移植も考慮します。